えみお
イギリスでフリーランスとして登録したいけど、やり方がよくわからないよ。
えみねむ
そもそも、何から始めたらいいの? 手続き方法も英語で難しい…誰か分かりやすく教えて!
そんな方に向けて書いています。
この記事で、次のことがわかります。
- イギリスでフリーランスとして登録する方法(手順)
- イギリスでフリーランスとして確定申告する方法
- 会計士に確定申告をお任せする方法
私自身は、フリーランスではなく法人として、イギリスで仕事をしています。
さらに、自分の法人から受け取る給与と、勤めている会社から受け取る給与があるので確定申告は必要です。
もちろん、人格が違えば手続きも違うところはありますが、必要な手続きや会計士を使うことなど共通点もあります。
私は初めての法人設立で分からないことだらけで、会計士でも大失敗しています。
そんな、私が起業する前に知りたかった情報をお伝えします。
もし、イギリスの永住権を取得したいとお考えの方は、イギリス永住権の条件・取得方法の完全まとめをご覧になり、永住権の取得を前提にビザの計画をすることをおすすめします。
※この記事に掲載している情報は、2023年2月時点で調べた情報に基づいています。ビザの条件などは変更されることがあります。必ずイギリス政府の公式サイトをご確認ください。本記事の内容や翻訳の内容に基づいて行動した結果損害が生じても、当サイトは責任を負いかねます。
えみねむ
イギリスに移住したいけど、ビザとかお金とか、色々不安…
イギリスに移住して4年を超える私が、あなたの疑問に全て答えます!
目次
イギリスでフリーランスとして登録する前に確認したいこと
イギリスへ入国して、まず済ませなければならない手続きがいくつかあります。
- BRP(生体認証付在留許可証)の取得
- Council tax(税金)の申請手続き
- National insurance number(NINo/国民番号)の申請手続き
え、何のこと?と思ったかたは、まずこの三つを済ませましょう。
詳しくは、この記事で解説しています。
>> イギリスでフリーランス(個人事業主)をする詳しい手続き【ワーホリ等】
この三つを完了してから、フリーランスの登録に移ります。
イギリス年金制度 日本人向け完全ガイド
イギリスでフリーランスとして登録する方法
イギリスでフリーランスとして登録する方法は、HMRCでも手順が解説されています。
手順は次の通りです。
- フリーランスが自分にふさわしいかどうかを確認する
- 確定申告が必要かどうかを確認する
- 屋号を決める
- オンラインで登録する
- UTRナンバーを郵送で受け取る
- アクティベーションコードを郵送で受け取る
フリーランスが自分にふさわしいかどうかを確認する【フリーランス登録方法①】
事業によっては、フリーランスではなくパートナーシップや法人形態の方がふさわしいことがあります。
フリーランスが当てはまるケースは、HMRCによると次の通りです。
- 自分で事業を運営し、成功しても失敗しても責任を負う
- 同時に複数の顧客がいる
- いつ、どこで、どのように仕事をするかを決められる
- 助手や自分のために働く他の人を、自身の費用で雇える
- 仕事に必要な主な機器を自分で提供する
- 自分の時間に未了の仕事を終える責任がある
- 自分の仕事に対し合意された固定価格を請求する
- 利益を上げるために商品やサービスを販売する
私の場合は、フリーランスでも問題ないくらいの小さい事業規模ですが、有限責任の観点から法人を選びました。
フリーランスと法人の大きな違いは、万が一何らかの責任を問われた時の責任の範囲です。
法人として訴えられた場合、会社の資金の範囲内で責任を負う(有限責任)ため個人の資金まで賠償に使うことはありません。
(当然、個人に責任があるとして個人として起訴された場合は別ですが。)
自分以外の人格を持てることが一番のメリットです。
起業も視野に入れている方は、イギリスで起業する手続きをご覧ください。
確定申告が必要かどうかを確認する【フリーランス登録方法②】
確定申告が必要なのは、1年間に1000ポンド以上をフリーランスとして稼いだ場合です。
この金額には、政府からの手当がある場合はそれも含まれ、費用などを引く前の金額で計算します。
年間1000ポンドの売り上げでは到底生活できません。
そのため、フリーランスをメインに生計を立てる場合は、当然確定申告が必要になります。
屋号を決める【フリーランス登録方法③】
フリーランスとして営業する前に、屋号を決めます。
屋号は自分の名前でも良いとされていますが、個人の銀行口座と区別するために事業名やサービス名が入っていた方がわかりやすいでしょう。
屋号を決める時のルール
個人事業主の名前は、次に該当してはなりません。
- 「Limited」、「Ltd」、「Limited Liability Partnership」、「LLP」、「Public Limited Company」、または「plc」を含む
- 攻撃的である
- 既存の商標と同じである
許可を得ない限り、名前に「デリケートな」単語や表現を含めたり、政府や地方自治体との関係を示唆したりすることはできません。
オンラインで登録する【フリーランス登録方法④】
HMRCのWeb サイトで、フリーランスの登録を行います。
これを読んでいる方はおそらくイギリスで確定申告をしたことがないかと思うので、以下のリンクから登録します。
登録する前に、Government Gateway user IDとパスワードが必要です。
Government Gateway user IDとパスワードがない人は、以下の手順に沿ってください。
1. 「Create sign in details」をクリックします。
2. メールアドレスを入力して「Continue」をクリックします。
3. 入力したメールアドレスに届いたConfirmation codeを入力して「Confirm」をクリックします。
4. user IDの入ったメールアドレスが届いていることを確認します。
Government Gateway user IDは、登録のメールアドレスに届くので大事に保管してください。
UTRナンバーを郵送で受け取る【フリーランス登録方法⑤】
10日間以内に、UTRナンバーが郵送で届きます。
確定申告の際に必要なので、大切にとっておいてください。
UTR(Unique Taxpayer Reference) ナンバーを調べる方法
UTRナンバーってどれ?!とパニックになっている方のために、 UTRナンバーの調べ方をまとめておきます。
- UTRナンバーをお知らせする手紙
- 確定申告を提出するための通知
- 支払いのリマインダー
- Personal Tax Account(個人税アカウント)
UTRナンバーは10桁の番号で、tax referenceと呼ばれることもあります。
Personal Tax Account(個人税アカウント)は、HMRCでログインすると確認できます。
それでも見つからなければ、Find a lost UTR numberから調べてください。
10日以上経過してもUTRナンバーが届かない場合
オンラインサービスに登録して10日間経ってもUTRナンバーが届かない場合、以下を確認してみてください。
- HMRCからの郵便を全て集め、「Unique Taxpayer Reference」や「UTR」、「Tax Reference」の文言を探す
- HMRCからのメールで「Unique Taxpayer Reference」や「UTR」、「Tax Reference」の文言を検索する
- セルフアセスメント・ヘルプラインに連絡して、UTRが届いていないことを伝える
それでもUTRナンバーの件が解決しない場合は、お問い合わせください。
状況を詳しくお伝えいただければ、解決のお手伝いができるかもしれません。
アクティベーションコードを郵送で受け取る【フリーランス登録方法⑥】
最後に、アクティベーションコードを郵送で受け取ります。
イギリスでフリーランスとして登録した後の手続き
HMRCで、フリーランスとして登録が終わったら、銀行口座を開設します。
オンライン銀行もありますが、未だにビザの書類の要件などを踏まえると、従来型の銀行を利用した方が良い場合があります。
ここは個人の自由ですが、アプリの使いやすい銀行、できれば中小企業を応援してくれる銀行がおすすめです。
イギリスでフリーランスとして確定申告する方法
イギリスでフリーランスとして確定申告するには、HMRCのサイトからログインします。
Account home で、Self Assessment Complete your tax returnを選択します。
期日は前年度分(例えば2020年4月6日〜2021年4月5日)について1月31日となります。
(これはオンラインの場合で、郵送で確定申告する場合は10月31日が期限となります。)
フリーランスとして仕事を始めた時から、確定申告することを前提に準備をしておくことがおすすめです。
確定申告の登録をするには、UTRナンバーが必要になります。
まずはUTRナンバー、アクティベーションコードを受け取ってオンラインサービスを使える状態にしましょう。
よほど自分でできる自信がない限り、確定申告には会計士を雇うのがおすすめ
確定申告を自分でするという人もいるようですが、私は会計士を雇うことをお勧めします。
日本で確定申告をしたことがありますが、会場の人が手取り足取り教えてくれて何の問題もなく行うことができました。
イギリスではなかなかそうはいきません。
HMRCで案内はしてくれていますし、動画などで解説もありますが、個別の例について解決してくれるのはやはり会計士です。
そもそも、会計をまとめるのは非常に時間のかかる作業です。
自分の仕事に集中するためにも、会計士にお願いするのが確実で早いです。
確定申告の時だけ会計士を雇うことも可能
必要な書類などを全て把握しており、銀行明細なども全部整理できているという自信のある人は、確定申告の時だけ会計士を雇うこともできます。
普段の取引の記録は、会計ソフトなどを使って自分で行うことになります。
ある程度会計の知識がある人で、取引の少ない人はこの方法も良いでしょう。
イギリスでの会計士を探す際の注意点
もちろん、検索すればいくらでも会計士は見つかりますが、ここで注意点があります。
- 小さい会計事務所を選ぶこと
- 親身になってくれそうな人を選ぶこと
- あれこれ追加料金を徴収しない人を選ぶこと
これは私の経験から来ています。
初めての会計士は、検索結果でも上位の大きな事務所でした。
全体的に好意的なレビューが多かった上、料金に含まれる内容も十分だと思われたのでそこに決めました。
しかし、蓋を開けてみると、これがぼったくりで…
会計士の仕事を客に押し付けるような会社でした。
月に86ポンド+VATの金額を払った上、さらに確定申告や法人会計の提出などで追加料金を求められました。
銀行明細や領収書などの内容も、通常は会計士が処理するところを、私がしなければなりませんでした。
これでは、タダ同然で使える会計ソフトを使っているのと何ら変わりありません。
知らないことやトラブルがあるたびに、サポートに何度も電話しなければなりませんでした。
担当者によって毎回違うことを言われ、顧客を馬鹿にしたような態度をしており、相当エネルギーを使いました。
(何度か泣きました…。)
この会計に費やしている時間で他の仕事が出来なくなってしまうので、金額以上の時間とエネルギーのムダになります。
やはり大きな会計事務所だったので、私のような小さなビジネスのことは気にしないのです。
現在お世話になっている会計士さんは、とても小さな規模ですが、いつも親身に私の質問に答えてくれます。
料金もお手頃かつ単純明快で、仕事を完了するまでは徴収しないポリシーです。
年収によっても適切な額は変わってきますが、月額80ポンド程度は相場の範囲です。
金額ではなく、親身になってくれそうかどうかをもとに判断しましょう。
イギリスのフリーランスの確定申告でとっておくべき書類
イギリスでフリーランスとして確定申告をする際は、事業の記録と個人の収入の両方の記録をとっておきましょう。
確定申告の際は、記録を提出する必要はありません。
ただし、以下のことができるように、記録を保管する必要があります。
- 確定申告のための損益計算をする
- HMRC(英国歳入税関庁)に要求された場合に記録を提示する
自分で確定申告をする場合は、記録すべきことをしっかり把握しておきましょう。
- すべての売上と収入
- すべての事業費
- VATに登録している場合はVAT記録
- 人を雇用する場合はPAYEの記録
- 個人所得に関する記録
- 自営業者所得支援制度(Self-Employment Income Support Scheme)を請求した場合は、その助成金
上記の記録すべきことを記録するには、それに関する書類が証拠として必要です。
念のために、以下のような書類は全て取っておく事をお勧めします。
- 仕事に関する書類
- 請求書
- 領収書
- 給与明細
- 税金に関する書類
- お金の出入りの記録
- 事業者として計上できそうなレシート
付加価値税(VAT)登録は85,000ポンド以上の売上で必要
VATの登録ですが、VAT対象の売上高が年間85000ポンド以上ない限り、 必要ありません。
念のため、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
日本の顧客なら租税条約に関する届出で所得税還付
日本でもフリーランスとして活躍してきて、イギリスでも日本のクライアントから仕事を受けるケースがあるでしょう。
その場合、 日本とイギリスの二重課税になってしまいます。
日本とイギリスは協定を結んでいます。
届出をすれば、日本で課税された所得税の還付を受け、結果的にイギリスのみで納税することができます。
イギリスで1年以上生活する場合、日本の非居住者としてイギリスで納税することになります。
つまり、イギリスで納税するか日本で納税するかは自由に決められることではなく、1年以上の滞在であれば法的にイギリスで納税することが求められます。
日本とイギリスを行き来する場合は、
- 仕事の拠点がどちらにあるか
- 生活の拠点がどちらにあるか
など様々な観点から非居住者であるかどうかを当局が判断します。
所得税・復興特別所得税
日本のクライアントに居住証明書、源泉徴収の明細を送るように言われた。どの書類を送ったらいいの?
イギリスに住んでいて、日本のクライアントに居住証明書と源泉徴収明細を求められた場合。
まず、フリーランスでも源泉徴収(いわゆる報酬を受け取る前に天引き)されるの?と思ったので、調べてみました。
フリーランスでも、仕事内容によっては源泉徴収されるように決まっているようです。
日本国内の場合は、以下の報酬の場合に源泉徴収されます。
イ 原稿料や講演料など
ロ 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
ハ 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
ニ プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
ホ 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
ヘ ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
ト プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
チ 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
ご質問のケースでは、源泉徴収の明細が具体的にどの報酬のことなのかはっきりしません。
源泉徴収の明細を持っているのは、会社勤務の人は雇用主、フリーランスとして仕事を受けた場合はクライアントであるはず。
雇用主やクライアントに依頼して送ってもらうことになるかと思います。
居住証明書の発行方法
居住証明書は、以下の方法で発行してもらえます。
- 個人・フリーランスの人の居住証明書を申請する方法
- gov.ukのオンラインサービスから申請
- フォームをメールで送信(アカウントへのログインは不要)
- 個人や個人事業主に代わって申請する代理人の場合は、オンラインで申請
オンラインサービスを使用するには、Government GatewayのユーザーIDとパスワードが必要です。
ユーザーIDがない場合は、サービス利用時に作成できます。
日本の居住証明書のフォームを利用する場合は、以下の宛先に郵送します。
Pay As You Earn and Self Assessment
HM Revenue and Customs
BX9 1AS
居住証明書の発行にあたってHMRCに必要な情報は、以下の通りです。
居住証明書が必要な理由
請求したい二重課税防止協定
請求したい収入の種類と関連する収入
(発行日と異なる場合)居住証明書が必要な期間二重課税防止協定により必要な場合、確認が必要:
請求したい収入の受益者本人であること
請求したいすべての所得に対して英国の税金の対象となること
イギリスでのフリーランスや会計・支払いについての質問
イギリスでのフリーランスや会計・支払いについて、いくつかご質問をいただいています。
Sole Trader としての経費の記帳方法・Tax accountantの探し方
具体的には、次のようなご質問でした。
Sole Trader として、フリーランス案件を日本とイギリスの会社両方から受ける場合の、経費の記帳方法・Tax accountantの探し方が知りたい
これは、残念ながら私のアドバイスできる範囲を超えてしまうので、会計士さんにお尋ねいただくことをおすすめします。
私も以前自分の会計士に似たような内容を聞いてみたことがありますが、個々の状況によって対処法が大きく異なるようです。
「Tax accountantの探し方」というのは、会計士さんをどう探せば良いかという意味だと解釈してお答えします。
私はフリーランスプラットフォームで探して、熱心に取り組んでくれそうな方にお願いしました。
避けたいのは、大手企業を多くクライアントに持っている会計事務所です。
小規模ビジネス、ましてやフリーランスのことはちゃんと相手にしてくれないからです。
会計士の見つけ方・会計士への見積もり依頼の例文もぜひ参考にしてください。
日本の顧客から仕事を受けても英国で納税が必要?フリーランス登録が必要?
このご質問について、詳しい状況は以下の通りです。
Aさん:
日本からフリーランスとして仕事を受けており、報酬は日本の銀行に振り込まれる。今後はイギリスでバイトやフルタイムで働いた後に、フリーランスか起業したい。非居住者のため日本からの仕事に関して日本での納税はいらないと思うが、イギリスでの納税が必要なのか?フリーランス登録が必要なのか?
Bさん:
2023年4月にYMS渡英予定です。
日本でもフリーランスで働いており、継続していきたいのですが、
日本の仕事を少し継続したい場合、…納税に関してもご教示頂けますと幸いです。
他のご質問でも触れた通り、取引が2国間にわたる納税の手続きは、個々の状況によって異なるのが正直なところです。
個別の状況に関しては、資格がないので私はお答えできません。
ここは、会計士さんに聞くのが一番です。
フリーランス登録に関しても、念の為会計士さんに聞いたほうがいいかもしれません。
原則として、£1,000以上フリーランスとしての売上がある場合は、イギリスでの確定申告が必要です。
一般論として、日本では所得控除の合計額を超えない範囲であれば確定申告は不要です。
確定申告をする必要のある方
その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、確定申告をする必要があります…
ー 国税庁
個人によって「所得控除の合計額」も異なるので、イギリス在住の人は大変ですが、日本の自治体か税務署に問い合わせるのが良いかもしれません。
また、このご質問者の場合、YMSで滞在中とのことです。
イギリスで会社勤務をした後にフリーランスや起業をするのはいいのですが、YMS失効後のビザをどうするのかが気になります。
YMS後のビザを先に考えて、今後どうするかを決めることをおすすめします。
フリーランス登録と確定申告の手続きについて
具体的には、次のようなご質問でした。
私は、現在ロンドン在住、フリーランスで日本の仕事をオンラインで請け負っています。
確定申告(主にUTR登録に関して)相談です。
2022年4月に渡英したため、
今年の確定申告は日本のみ(昨年分)で、UKの分は来年行えば良いという計算になります。まずGOV.UKにてSelf Employedの登録が必要だと思うのですが、
UKのパスポートや免許証、英語の給与明細などがないためオンラインで登録することができません。
そういった方は紙で登録することになると思うのですが、
登録用紙を見る限り「2022」と書いてあるので今はまだ申込まない方がいいでしょうか?また、2023年分の用紙はいつ頃更新されますでしょうか?
2023年5月6月頃には帰国予定のため、
手続き系は早めに済ませておきたいなと思った次第です。
2022年の4月に渡英されたとのことですが、4月6日以降でしたでしょうか?
会計年度が毎年4月6日〜翌年の4月5日までとなっているので、活動期間がどちらの会計年度に該当するかをまず確認してください。
もし、2021年4月6日〜2022年4月5日の期間にも活動されていた場合、2022年10月5日までにSole traderとしての登録が必要だったことになります。
2022年4月6日からの会計年度に関しては、通常2023年10月5日までに登録すれば大丈夫です。(締め切りが変わることもあるので、gov.ukをご確認ください)。
ご質問者のように、Sole traderの登録の途中でつまづいているというお声は聞いております。
「UKのパスポートや免許証、英語の給与明細などがないためオンラインで登録することができません。」とありますが、これはUTRナンバーがない場合に求められるID書類ですよね。
business tax accountの登録をしたあと、UTRナンバーが郵送で届くはずですが、届いていますか?
このUTRがあれば、その後のアクティベーションコードを使ってSole traderの登録が可能です。
最近行政サービスや郵便が遅いので、届いていない場合は電話をしてでも確認した方が良いです。
ご質問者のビザの要件(どちらのビザか不明)もわかりませんし、収入の金額もわからないため、これ以上何とも言えないところですが。
フリーランスの収入から対象となる控除を差し引いた額が会計年度あたり1,000ポンドを超えない場合は、申告が不要です。
※記事にコメントをいただいており、スパムコメントに埋もれていて全く気づかなかったため、ご質問にお答えするのが遅くなってしまったので現状と関連がない場合は申し訳ないのですが、参考にしていただけると幸いです。
えみねむが契約している会計士を紹介してほしい
私の契約する会計士を紹介してほしいというお問い合わせがありました。
紹介したい気持ちはあるのですが、人と人のことなので合う合わないがあります。
また、紹介した会計士との間で万が一トラブルが起こった場合に責任を取れないため、恐れ入りますが直接のご紹介は控えさせていただきます。
会計士の見つけ方・会計士への見積もり依頼の例文
代わりに、会計士の探し方として以下をまとめておきますので、参考にしていただけると幸いです。
- Google検索やフリーランスサイトなどで探せる
- 見積もりをもらうときは、一斉送信とわかる形ではなく一人一人にメールやメッセージを送る
- 見積もりをもらうときは、自分のビジネスの状況を簡潔に伝える
- 相手が親身になってくれるかどうかを基準として判断する
会計士に送るメッセージの例文を参考までに載せておきます。(内容を適宜修正してください)
Hi [名前],
I hope you are well.
I’m wondering if you offer any of the following services:
Payrolls, Annual accounts, Corporation tax return filing, Confirmation statement, Dividend calculations, Self assessment & PAYE
My company has XXX employees.
I’m running XXX services / business. The revenue is about £XXXX a month.
I have XXX business accounts with XXX currencies.
For [銀行名] there are XX transactions a month, and for [銀行名] there are around XXX transactions.
And if you offer any of the services listed, could you give me a quote please?
Thank you in advance!
Best Regards,
[署名]
日本でクライアントを持つ場合、便利な支払いツールはないか
クライアントが承諾するなら、次のような支払いツールが定番ですが非常に便利です。
- Wise(旧TransferWise)
- Paypal
私は日本に限らず、資金の受け取りにはほぼPaypalを使用してきました。
Paypalの方が手数料が高いのですが、メールアドレスで資金の移動ができて、即時で決済できるのでとても便利です。
Wiseの場合は、国際送金の着金までに数日間かかることがありますが、為替手数料を含めた手数料が業界最安レベルです。
従来型の銀行間の海外送金は、送金元と送金先の銀行以外に仲介銀行が入るため、送金手数料が非常に高くなります。
(さらに為替手数料もかかります。)
その点、WiseであればWiseの所有する各国の銀行から国内送金をするため、送金費用が格安に抑えられます。
日本のフリーランスの仕事を継続する場合に日本でできる必要な準備は?
具体的には、次のようなご質問でした。
2023年4月にYMS渡英予定です。
日本でもフリーランスで働いており、継続していきたいのですが、
日本の仕事を少し継続したい場合、日本でできる必要な準備(収入受け取りに良い口座やPayPal等のシステム等)…何かありましたら、教えて頂きたいです。…
イギリスに住んでからも、日本のクライアントからの仕事を受けたいということですね。
日本でできる準備としては、現在仕事を受けているクライアントに支払い方法について連絡しておくことではないでしょうか。
収入受け取りに便利な口座については、上記の日本でクライアントを持つ場合、便利な支払いツールはないかでご説明しています。
例えば、現在国内の銀行口座振込で支払いを受けている場合、渡英後の支払い方法をPaypalもしくは海外送金に変更したいと相談してみましょう。
もし、フリーランスのプラットフォームを通じて支払いを受け取っている場合などは、以下が方法として考えられます。
- プラットフォームがPaypalなど国外の支払いに対応していない場合は、対応して欲しいという要望を伝える
- プラットフォーム以外で受け取りができる場合はプラットフォーム外で受け取る方法をとる
「しないほうが良い日本での手続き」は、日本のフリーランスの仕事を継続する場合にやめた方がいい日本での手続きにまとめています。
納税に関しては、日本の顧客から仕事を受けても英国で納税が必要?フリーランス登録が必要?をご覧ください。
また、日本のフリーランスプラットフォームで売上が思うように上がらないという人は、海外プラットフォームも検討してはいかがでしょうか。
海外クラウドソーシングサイトの利用方法完全版【英語提案文も】では、すぐに使える英語の提案文も用意しています。
日本のフリーランスの仕事を継続する場合にやめた方がいい日本での手続き
具体的には、次のようなご質問でした。
2023年4月にYMS渡英予定です。
日本でもフリーランスで働いており、継続していきたいのですが、
日本の仕事を少し継続したい場合、…やめた方がいい日本での手続き等何かありましたら、教えて頂きたいです。
やめた方がいい日本での手続きといっても、例えば私が日本で行った準備で後悔していることは特にありません。
強いて考えられることといえば、以下の通りでしょうか。
- 日本の金融機関でポンド建ての口座を開設する必要はない
- 日本の銀行口座やクレジットカードなどは解約しない
海外移住をしたい人、外貨の分散をしたい人が日本の金融機関でポンド建ての口座を開設することがあると思います。
実際にイギリスで生活する場合、イギリスの住所が登録されたイギリスの銀行口座を持つことが必要になります。
(=銀行の所在地と本人の住所がイギリス国内。)
何の手続きをするにも、イギリスの居住者としてイギリスの銀行口座は必要で、日本の金融機関の外貨口座では意味がありません。
日本の銀行口座やクレジットカードは、イギリスで銀行口座を開設するまでの間や一時帰国時にとても重宝します。
とっておきましょう。
日本でやっておいた方がいい手続き
反対に、「やった方がいい日本での手続き」も考えてみました。
- 日本の住民票を抜く
- イギリスで使えない・使わない定期購読はキャンセルする
- 日本の銀行やカードのアプリが海外でも使えるようにしておく
- マイナンバーカードの申請とオンライン手続きが可能な状態にしておく
住民票を抜くのは、所得税法上の非居住者になるからです。
詳しくは、日本の顧客なら租税条約に関する届出で所得税還付をご覧ください。
日本の銀行やカードのアプリは、電話や郵送ではなくインターネットで手続きができるようにしておきましょう。
残高確認やカードの支払額確認など、日常的に確認が必要なことがあります。
私が使っている銀行口座の一つは、「ワンタイムパスワード」のアプリが必要なためにオンラインでは使えなくなりました。
アプリが定期的にアップデートされるため、インストール手続きが国外からできなくなってしまったためです。
(いちいち銀行に電話しなければワンタイムパスワードの設定ができない仕組み)
そうしたセキュリティの設定により、日本でいる時のように手続きができないことを覚えておいてください。
マイナンバーカードの申請は、後に行政手続きや確定申告などが必要なときに、オンライン手続きができるようにするためです。
マイナンバーカードは、日本に住所があるときでないと申請できません。
私の場合は、確定申告は日本に帰国時に行ったことがありますが、オンラインではできない状態です。
また、行政手続きも、地方自治体によってはオンラインでできるようになっています。
そのためにはマイナンバーカードの申請とオンラインでの登録が必要です。
このことは、結婚で姓を変更する際に戸籍謄本を取り寄せなければならず、初めて知りました。
オンラインで行政手続きができることは、そういった場面で役に立ちます。
イギリスでフリーランスとして生計を立てて行くには
イギリスでフリーランスの登録をするのは、思ったより単純な手続きではないでしょうか。
最初の登録を済ませ、会計士を選びさえすれば、後は日々全ての書類をとっておけば良いだけです。
会計士がいれば、分からないことも気軽に聞けるので、安心感につながります。
フリーランスとして生計を立てていくのは、決して簡単なことではありません。
私が5年間、フリーランスとして生計を立ててこられた理由や経緯については、以下の記事で触れています。
>> 地方銀行員がイギリスで起業し3年半以上食べていけるまでの話
>> フリーランスは厳しい?生活できない?その道3年の私が本音を暴露
>> フリーランスの仕事がない時に収入を増やす方法4つ【実証済み】
個別の税金に関する相談は受けられませんが、イギリスでのフリーランスの活動全般については気軽にご相談ください。