イギリスで起業したいけど、ワーホリビザでは無理?そもそも、何から始めていいかわからない。
という疑問にお答えします。
「イギリスのワーホリビザ(YMS)で起業したい」という読者の方から質問をいただいたので、
その質問を中心に、
- ワーホリビザで起業はできるのか
- イギリスで起業できるビザの種類
- イギリスで起業する際の手続き
- イギリスで法人経営するメリット
について書いています。
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イギリスで起業したいけど、どのビザなら取れるの?情報も少ないし、誰か教えて!
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目次
イギリスのワーホリビザで起業は可能?難しくない?
結論から言って、イギリスのワーホリビザで起業することは可能です。
実際に私も、ワーホリビザで起業できました。
では、ワーホリで起業するにあたって難しいところはあるのでしょうか?
期待を裏切るようで大変申し訳ないのですが、裏技は私にはわかりません。
経費の制限:そもそもそんなに経費を使う機会がない
ビザが2年間:他のビザに切り替える予定のため問題なし
人を雇えない:そもそも人を雇う予定がない
なので、どれも私にとっては制約にならなかったのです。
もしそれらが制約になるなら、違うビザを検討する必要がありそうです。
ただ、YMSで事業をするにしても、他の方法を検討することもできます。
- 経費:公式サイトのYMSの説明を見る限り、制限はありません。
備品のことなら、5,000ポンドを超えそうなら、借りればいいですよね。
値の張るもの(建物、高級な備品)だけ借りるとか。
- ビザの期間:ビザが失効しても事業が同時になくなる訳ではなく、他に滞在許可を得る方法は複数あります。
- 人を雇えない:フリーランスや他社に外注すれば、雇わずに人手が手に入ります。
参考として、以下にイギリス政府のウェブサイトからワーホリビザについての説明を引用しておきます。
ワーホリビザ(YMS)でできること
できること:
自営業をする、会社を設立する – 施設を借りており、備品の価値が5,000ポンド以下で、従業員がいない限り可能です。
イギリスで起業ができるビザの種類は4つだけ
イギリスで起業する場合、選択肢は永住権をとる以外に3つあります。
- YMS(ワーキングホリデー)ビザ(Tier 5)
- スタートアップビザ/Start-up visa
- イノベータービザ/Innovator visa
(過去にあった起業家ビザ/Entrepreneur visa (Tier 1)、投資家ビザ(インベスタービザ)/Investor visa (Tier 1)などは現在申請できない)
です。
ちなみに、起業して将来的にイギリスの永住権を取得したいとお考えの方は、永住権の取得を前提にビザの計画をすることをおすすめします。
詳しくはイギリス永住権の条件・取得方法の完全まとめをご覧ください。
この4つのビザを、条件面で比べてみました。
まとめると、こんな感じです。
一つずつ見ていきます。
ワーキングホリデービザ(YMS)【イギリスで起業ができるビザの種類①】
YMSはワーキングホリデービザです。
当然起業を目的にした人のためのビザではありませんが、起業は可能です。
他のビザと比べると要件がかなりゆるいです。
口座に必要な資金(£) 1,890
申請手数料(£) 244
延長できるか ×
永住権の申請 ×
家族同伴できるか ×
日本語の情報が多い
仕事がなくても取れる
仕事も勉強もほぼ自由
必要な資金が少ない
1回きり・延長なし
子供がいる人は申請不可
31歳以上は申請不可
永住権申請不可
すでにYMSビザでイギリス滞在中なら、
起業アイデアが決まっていればすぐに起業することができます。
つまり、YMSのビザさえあれば、誰でも起業が可能です。
ただし、これからビザを申請する人は、ビザに申請できるかどうかが抽選により決まります。
抽選に落ちれば申請できません。
ビザの抽選の時期が1月と7月などと決まっているので、その時期以外に起業を思い立っても、待たなければいけません。
それを考えても、他のビザと比べれば、
- ビザ申請の手続きの手間と費用が少ない
- 平凡なアイデアでも起業できる
のは大きな魅力です。
投資家ビザ(インベスタービザ)【2022年4月29日現在は申請不可】
※インベスタービザは、2022年4月29日現在、新たに申請できません。
インベスタービザは誰にでも申請できるビザではありません。
口座に必要な資金(£) 2,000,000
申請手数料(£) 1,623
延長できるか ○
永住権の申請 ○
家族同伴できるか ○
18歳以上なら何歳でも可
ビザの期間が長い
最短2年で永住権申請可
家族同伴できる
他の仕事や勉強ができる
大金が必要
英国の銀行に資金入金が必要
とにかく大金が必要なところがネックです。
私は、「お金持ちはどうぞうちに来て、起業も仕事も勉強も好きにしてくださいな」というビザだと解釈しています。
金額の割に滞在期間が長くないのは、結局滞在中に永住権を申請できるからだと思います。
アイデアは問わないので、「お金さえあれば」誰でも申請できます。
スタートアップビザ【イギリスで起業ができるビザの種類②】
口座に必要な資金(£) 1,270
申請手数料(£) 378(切り替えは£508)
延長できるか ×
永住権の申請 ×
家族同伴できるか ○
18歳以上なら何歳でも可
家族同伴できる
他の仕事ができる
必要な資金が少ない
他のビザから切替可能
認定機関の事業審査が必要
審査に落ちると期間短縮
英語の要件を満たす必要有
永住権申請不可
スタートアップビザは、申請に必要な資金が少ないのですが、その分起業アイデアが必要です。
具体的には、指定された機関に承認をもらわなければいけません。
- どんな基準で承認されるのか?
- どの機関に承認されやすいのか?
など、全くわからないので、かなり調査が必要だと思います。
また、聞いた話では、以下のようなハードルがあるかも知れません。
- 大学卒業生でないと承認しない承認機関もある
- 承認機関にコンサルティング料として大金を支払わないといけないことがある
内容によっては、自分のやりたい事業の承認機関に選ばれている大学に入学して、卒業生になってから起業するのも一つの手でしょう。
あとは、延長ができないため、2年である程度結果を出すことが前提になっていると思います。
ある意味、「アイデアはあるけど金はない?2年間だけチャンスをやる」と言う感じですね。
それを考えても、費用の低さからかなりハードルは低いです。
やりたいことがある人は、挑戦する価値があるかもしれません。
また、他の仕事もできるので、起業しても他の仕事と並行して生活することができるのは大きいです。
イノベータービザ【イギリスで起業ができるビザの種類③】
口座に必要な資金(£) 1,270
申請手数料(£) 1,036(切り替えは£1,292)
延長できるか ○
永住権の申請 ○
家族同伴できるか ○
18歳以上なら何歳でも可
計5年滞在で永住権申請可
回数制限なしで申請可
3年延長可
家族同伴できる
認定機関の事業審査が必要
審査に落ちると期間短縮
他の仕事はできない
イノベータービザは、独自の事業アイデアと、資金の両方が必要です。
※以前は口座に50,000ポンドの資金が必要でしたが、2022年4月29日現在で1,270ポンドと大幅に下がっています。
認定機関の事業審査が必要なのはスタートアップビザと同じです。
ただ、スタートアップビザと比べると桁違いにハードルが低いです。
このビザのメリットは、期間の長さです。
「もともと3年+3年延長できる」ところが他のビザと大きく違います。
つまり、「アイデアとそこそこの金はあるけど、事業がいつ成功するかわからない。3年でダメならもう3年やっていいよ。その代わり事業に専念してね」と言うビザです。
5年滞在すれば永住権を申請できるのも魅力。
いったん永住権がもらえれば、ビザの心配をせずに好きなことができます。
イギリスで起業する際の手続き
起業するといっても、何から始めていいかわからないと思います。
イギリスでは、
- 資本金1ポンドから会社を設立できる
- バーチャルオフィスを格安で借りられる
ため、適切なビザさえあれば、わりと簡単に起業できます。
ロンドンのバーチャルオフィスを借りる【イギリスで起業する際の手続き①】
起業するには、
- 会社登記
- 会社所在地
が必要です。
私はsetup.co.ukを利用しました。
住居用の住所は会社の住所として設定できないので、オフィスを借りる必要があります。
普通にオフィスをロンドンに借りると、ものすごくお金がかかります。
Setup.co.ukは、年間150ポンドで
①会社の登記住所(ロンドン)が取得できる
②会社登記をしてくれる
というすばらしいサービスです。
(2021年7月当時の料金。最新の料金はウェブサイトでご確認ください。)
- 電話またはフォームから問合せして、会社登記をしたい旨を伝えましょう。
- 料金表のついたフォームがメールで届きます。
- フォームを埋めて返送すれば、数日で登記完了のメールが届きます。
ID(パスポート、イギリスの免許証など)と住所の証明(3か月以内の公共料金の支払請求書、税金の支払請求書など)を添付します。
法人名義の銀行口座を開設する【イギリスで起業する際の手続き②】
法人名義の銀行口座の開設もお忘れなく。
銀行ではたいてい予約を求められます。
直接支店に行くか、電話で予約します。
イギリスでフリーランスではなく、起業して法人を運営するメリット
(えみねむ様のブログより会計士を1年目は雇わなくて良いというのは理解しています。)
フリーランスでなく法人化するメリットは、リスクが低いことです。
裁判などになった時に、法人の方がリスクが低い。
個人だと無限に責任を負わないといけないが、法人なら出資額までで済む
というのが理由です。
多少会計費用などがかかっても、リスクが低いほうがいいと考えました。
イギリスでの法人経営についての情報は、Companies Houseのページに詳しく書かれています。
イギリス以外の国でワーホリで海外起業することも可能
イギリスという国にこだわらないのであれば、他のワーホリ受入国で起業することもできます。
特にイギリスのワーホリは、抽選で落ちたら申請すらできません。
ワーホリに申請できる年齢に当てはまる方は、選択肢としていろいろな国のワーホリを検討してみてもいいかもしれません。
カナダでの起業についての記事はこちら
ニュージーランドでの起業についての記事はこちら
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