ロンドンに憧れて、イギリスに移住したい。やっぱり就労ビザは厳しいのかな?
海外移住を考えていて、イギリスもいいなあと思ってる。移住する方法には何がある?
こんな疑問に、イギリス在住歴2年を超える私がお答えします。
この記事を読むと、こんなことがわかります。
- イギリスに移住する方法と必要なビザの種類
- それぞれのビザの申請資格・費用・そのビザでできることとできないこと
- イギリス移住のメリット・デメリット
目次
イギリスに移住する方法と必要なビザの種類
イギリスに移住する方法は意外とたくさんあります。
移住しやすい方法(=費用、人数、才能などの点で取りやすいビザ)から順に見ていきましょう。
※イギリス政府の公式サイトから引用しています。ビザの要件などをわかりやすいように一部単純化しているところがあります。内容は変わることもあるので必ずイギリス政府の公式サイトで確認してください。
※レートは1ポンド=約130円を基準に計算しています。金額は目安であり、為替が大きく変動した場合に備えて、余裕を持って資金を準備することを強くおすすめします。
学生として移住する(一般学生ビザ/Tier 4)
いわゆる留学して一定期間滞在する方法です。
何も10代・20代でなくても、学校に入って学ぶことができます。
若いうちなら英語を学ぶのが目的の語学留学も十分かもしれませんが、20代後半以降なら何かのスキルを身につけるために留学するのがいいと思います。
語学留学して英語だけできるようになっても、それだけではキャリアにあまりプラスになりません。
せっかくなので、その業界で世界的に有名な大学を目指して留学するのがおすすめです。
申請資格
- 16歳以上
- コースへの入学許可がおりている
- 英語を話す、読む、書く、理解することができる
- 自分の生活と学費を支払うだけのお金がある
- 欧州経済領域(EEA) 、スイス以外の国の出身である
- その他の資格要件を満たしている
ビザ申請費用
348ポンド(約45,240円)+保険料
一般学生ビザ/Tier 4でできること
- 勉強
- 学生組合のサバティカルオフィサーとして働く
- 英国内外から申請する
- 滞在の延長を申請する
- ほとんどの仕事で働く(履修コースのレベルと保有するスポンサーの種類による)
一般学生ビザ/Tier 4でできないこと
- 公的資金を得る
- プロのアスリートやスポーツコーチなど、特定の職種で働く
- アカデミーまたは地方自治体が資金を提供する学校(別名公立学校)で勉強する
家族(扶養家族)を連れて来ることができる可能性があります。
ワーキングホリデーで移住する(YMS Tier5ビザ)
ワーキングホリデーで移住する方法は、30歳までの人なら一番とっつきやすい方法だと思います。
なぜなら、ワーキングホリデービザさえあれば、こんなに自由だからです。
- 学校や仕事を見つけるのはビザをとってからでいい
- 何もしなくてもいい
- 目的がなくてもいい
ただし、イギリスのワーキングホリデーは、日本から年間1,000人が応募できる制度で毎年応募者が殺到します。
倍率は10〜20倍との情報もあります。
だからと言って、申請できないわけではありません。
私も、このYMSビザでこれまで2年間滞在できました。
落選しても何回でも挑戦できるので、やってみる価値はあります。
申請資格
- 英国で最大2年間生活し、働きたい
- 18〜30歳
- 1,890ポンド(約245,700円)の預金がある
- 特定のタイプの英国国籍を持っている、または特定の国から来ている
- その他の資格要件を満たしている
ビザ申請費用
244ポンド(約31,720円)+保険料
YMS Tier5ビザでできること
- 研究(一部のコースでは、Academic Technology Approval Scheme証明書が必要)
- ほとんどの仕事で働く
- 自営業で会社を設立する(敷地は賃貸で、備品は5,000ポンド(約65万円)以下であり、従業員がいない限り可能)
YMS Tier5ビザでできないこと
- プロのアスリート(コーチなど)、医師、歯科医として研修する(英国での資格を証明できる場合を除く)
- 滞在を延長する
- 公的資金を得る
- 家族を連れてくる(家族は別々に申請が必要)
ワーホリで移住してからの手続きや、ワーホリでフリーランスとして働く詳細については、こちらの記事をご覧ください。
イギリスに支社のある日系企業に就職して移住する(就労ビザ/Tier2)
日本にいるうちにイギリスに支社を置いている日系企業に就職し、イギリスに住む方法です。
日系企業なら、日本人を一定数採用しているところが多いため、日系以外の企業より日本人が採用されやすいです。
日本人相手の仕事がメインの場合、英語の能力をそこまで問われないこともあります。
自分のスキルや経験、希望とマッチした求人があれば、比較的やりやすい移住方法と言えます。
申請資格(一般的な就労ビザの場合)
- 英国で技術を要する仕事のオファーを受けた
- ヨーロッパ経済地域(EEA)とスイス以外の出身
ビザ申請費用
それぞれに保険料がかかります。
イギリス国内で延長・切り替えの際に、生体認証登録のために19.20ポンド(約2,496円)必要です。
就労ビザの期間 | 英国外から申請 | 英国内から延長・切り替え |
3年まで | 610ポンド(約79,300円) | 704ポンド(約91,520円) |
3年まで(英国で労働者が不足している技術職) | 464ポンド(約60,320円) | 464ポンド(約60,320円) |
3年以上 | 1,220ポンド(約158,600円) | 1,408ポンド(約183,040円) |
3年以上(英国で労働者が不足している技術職) | 928ポンド(約120,640円) | 928ポンド(約120,640円) |
就労ビザ/Tier2でできること
- スポンサー企業でスポンサーシップ証明書に記載されている仕事をする
- 特定の状況で2つ目の仕事をする
- ボランティア活動をする
- 勉強する(スポンサーされている仕事に支障がない場合)
- 海外旅行してイギリスに戻る
- 家族を連れてくる
就労ビザ/Tier2でできないこと
- スポンサーの株式の10%以上を所有する(年間159,600ポンド(約2074.8万円)を超える収入がある場合を除く)
- 公的資金を得る
- スポンサー企業で働き始めるまでに、2つ目の仕事に応募する
短期労働者として移住する(Tier5ビザ)
短期労働者として、最大1〜2年間(ビザの種類と内容によりますが)滞在する方法です。
ビザの種類とそれぞれの労働の種類は幅広く、こんなにあります。
- チャリティーワーカービザ
- クリエイティブ&スポーツビザ
- 政府公認交換ビザ
- インターナショナルアグリーメントビザ
- 宗教活動家ビザ
- 季節労働者ビザ
- YMSビザ(ワーキングホリデー)
YMS以外は、活動内容か対象者がかなり絞られたビザが多いです。
もし、自分にできそうだと思う内容があれば、検討してもいいかもしれません。
YMSについては、すでに説明しているのでここではYMS以外のビザについてまとめています。
申請資格
以下の全てのビザに共通する申請資格は、次の通りです。
- ヨーロッパ経済地域(EEA)とスイス以外の出身である
- 他の資格要件を満たしている
Tier 5ビザの種類 | 申請資格 |
チャリティーワーカービザ | 慈善団体のために無給のボランティア活動をしたい |
クリエイティブ&スポーツビザ | スポーツパーソンまたはクリエイティブワーカーとして英国で仕事を提供された |
政府公認交換ビザ |
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インターナショナルアグリーメントビザ | 英国滞在中に国際法の対象となる仕事を請け負う(例:外国政府で働く、外交家で私務を務める) |
宗教活動家ビザ | 説教や宗教的秩序での活動など、宗教的な仕事をしたい |
季節労働者ビザ | スポンサーを受けている |
ビザ申請費用
244ポンド(約31,720円)+保険料
イギリス国内で延長・切り替えの際に、生体認証登録のために19.20ポンド(約2,496円)必要です。(季節労働者ビザを除く)
Tier5ビザでできること
以下のビザ全てに共通する、Tier 5ビザでできることは以下の通りです。
- 研究(一部のコースでは、Academic Technology Approval Scheme証明書が必要)
Tier 5ビザの種類 | Tier5ビザでできること |
チャリティーワーカービザ |
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クリエイティブ&スポーツビザ |
|
政府公認交換ビザ |
|
インターナショナルアグリーメントビザ |
|
宗教活動家ビザ |
|
季節労働者ビザ | スポンサーシップ証明書に記載されている仕事に従事する |
Tier5ビザでできないこと
以下のビザ全てに共通する、Tier 5ビザでできないことは以下の通りです。
- 公的資金を得る
Tier 5ビザの種類 | Tier5ビザでできないこと |
チャリティーワーカービザ |
|
クリエイティブ&スポーツビザ | 自分のビジネスを始める |
政府公認交換ビザ | 恒久的な仕事をする |
インターナショナルアグリーメントビザ | ビザを取得する前に仕事を始める |
宗教活動家ビザ | 該当なし |
季節労働者ビザ |
|
起業して移住する(起業・才能・Tier 1ビザなど)
起業したい人、特別な才能がある人、イノベーションを起こせる人に許可されるビザを取得して移住する方法です。
これにはたくさんの種類があり、それぞれに応募要領や制限があるので注意してください。
ビザの種類は、これだけあります。
- イノベータービザ
- スタートアップビザ
- グローバル才能ビザ
申請資格
以下のすべてのビザに共通する申請資格は、次の通りです。
- ヨーロッパ経済地域(EEA)とスイス以外の出身である
起業・才能・Tier 1ビザの種類 | 申請資格 |
イノベータービザ |
|
スタートアップビザ |
|
グローバル才能ビザ |
|
ビザ申請費用
以下のすべてのビザの申請時に、保険料も支払います。
イギリス国内で延長・切り替えの際に、生体認証登録のために19.20ポンド(約2,496円)必要です。(スタートアップビザは切り替えのみ)
起業・才能・Tier 1ビザの種類 | 英国外から申請 | 英国内から延長・切り替え |
イノベータービザ | 1,021ポンド(約132,730円) | 1,277ポンド(約166,010円) |
スタートアップビザ | 363ポンド(約47,190円) | 493ポンド(約64,090円)(延長不可) |
グローバル才能ビザ | 608ポンド(約79,040円)(賛同を得るための費用456ポンド+申請料152ポンド) | 608ポンド(約79,040円) |
起業・才能・Tier 1ビザでできること
以下のビザ全てに共通する、起業・才能・Tier 1ビザでできることは以下の通りです。
- 家族を連れてくる
ビザの種類 | 起業・才能・Tier 1ビザでできること |
イノベータービザ |
|
スタートアップビザ |
|
グローバル才能ビザ |
|
起業・才能・Tier 1ビザでできないこと
以下のビザ全てに共通する、起業・才能・Tier 1ビザでできることは以下の通りです。
- スポーツコーチなど、プロのスポーツマンとして働く
- 公的資金を得る
- 医師または歯科医として研修で働く
ビザの種類 | 起業・才能・Tier 1ビザでできないこと |
イノベータービザ | 他の事業に雇用されるなど、自分の事業以外で仕事をする |
スタートアップビザ | このビザで英国に定住する |
グローバル才能ビザ | 該当なし |
イギリスでの起業については、こちらの記事で詳しく体験談を交えて紹介しています。
投資して移住する(投資家ビザ)
前の起業ビザと同じジャンルで、インベスタービザ(投資家ビザ)もあります。
資金に余裕のある人は、検討してもいいかもしれません。
申請資格
- 2,000,000ポンド(約2億6000万円)以上保有しておりイギリスに投資したい
- ヨーロッパ経済地域(EEA)とスイス以外の出身である
- 他の資格要件を満たしている
ビザ申請費用
1,623ポンド(約210,990円)+保険料
延長や切り替えも同額です。
投資家ビザでできること
- 仕事や勉強
- 1000万ポンド(約13億円)を投資した場合、2年後に永住権を申請する
- 500万ポンド(約7億5,000万円)を投資した場合、3年後に永住権を申請する
- 200万ポンド(約2億6,000万円)を投資した場合、5年後に永住権を申請する
投資家ビザでできないこと
- プロのスポーツマンまたはスポーツコーチとして働く
- 公的資金を得る
他の起業ビザと比較した記事をご参考にしてください。
イギリス国籍か永住権を持つ人とパートナーや家族になり移住する(ファミリービザ)
イギリス国籍か永住権を持つ人がパートナーや家族の場合は、ファミリービザで移住することができます。
状況によって、それぞれ違うビザに申請できます。
対象となるファミリービザの範囲は、次の通りです。
- 配偶者またはパートナー
- フィアンセまたはプロポーズされた市民
- 子ども
- 親
- 今後長期にわたりあなたの面倒を見る親戚
申請資格
- イギリス国外にいて、イギリスで家族(上記ファミリービザの範囲)と6ヶ月以上同居する
- すでにファミリービザで英国に滞在しており、家族(配偶者またはパートナー、子、親)との滞在を延長する
- 別のビザでイギリスに入国し、家族(配偶者またはパートナー、子、親)と滞在するファミリービザに切り替える
他に申請できる可能性のある方法
- 家庭内暴力の犠牲者である、あるいはパートナーが他界した場合、パートナーとして英国に滞在する許可を得ている
- 家族が難民認定または人道的保護を受けている場合、「家族の再会」を申請する
- 英国外に居住していて、家族が欧州経済地域またはスイスの出身者である
ビザ申請費用
ファミリービザの申請時に、保険料も支払います。
生体認証登録のために19.20ポンド(約2,496円)必要です。
状況 | 英国外から申請 | 英国内から延長・切り替え |
パートナー、親または子と同居する | 1,523ポンド(約197,990円) | 1,033ポンド(約134,290円) |
申請に追加される一人あたり | 1,523ポンド(約197,990円) | 1,033ポンド(約134,290円) |
親族の世話を必要とする大人 | 3,250ポンド(約422,500円) | 1,033ポンド(約134,290円) |
ファミリービザでできること
- 仕事
- 勉強
ファミリービザでできないこと
- 通常、自分や自分の扶養家族のために給付金やその他の公的資金を受け取る
- 対象となるまでに英国での永住権を申請する
EEAかスイス国民の家族になり移住する(EUセトルメントスキーム/EEAファミリーパーミット)
EEAかスイス国民の家族なら、パーミットを取得してその人とイギリスに一緒に住むことができます。
パーミットの種類は2つあります。
- EUセトルメントスキームファミリーパーミット
- EEAファミリーパーミット
EU法では、EU市民の権利としてパートナーを選ぶ権利が保障されています。
イギリスでも、2021年からは変更がある可能性がありますが、今のところはそのルールが適用されています。
申請資格
- 欧州経済領域(EEA)外の出身かつ、EEAまたはスイス国民(英国国民を除く)の家族であり、家族の許可を得ている
- 英国外にいる
状況により、2種類のパーミットのどちらを申請できるかが変わってきます。
EUセトルメントスキームファミリーパーミットの申請資格
以下のすべてに当てはまる場合、EUセトルメントスキームファミリーパーミットを申請できます。
- 欧州経済領域(EEA)外の出身である
- EEAまたはスイス国民(英国の国民を除く)の「身内の」家族の一員である
- 同居するEEA市民が英国にすでにいる、または申請日から6か月以内に英国に入国する
- 同居する人が、次のいずれかである:
- EU居住スキーム下で「定住」や「準居住」のステータスを持つEEAまたはスイスの国民
アイルランド市民 - EEAまたはスイスの市民権も持ち、英国の市民権を取得する前にEEAまたはスイスの市民として英国に住んでいた英国の市民
- EU居住スキーム下で「定住」や「準居住」のステータスを持つEEAまたはスイスの国民
- 「身内の」家族の一員は、EEA市民の配偶者または市民パートナーである、または次の関係である:
- 21歳未満の子供や孫、またはあらゆる年齢の扶養家族の子供や孫(またはその配偶者または市民パートナー)
- 扶養親または祖父母(またはその配偶者または市民パートナー)
EEAファミリーパーミットの申請資格
次のすべてに該当する場合、EEAファミリーパーミットを申請できます。
- 欧州経済領域(EEA)外の出身である
- EEAまたはスイス国民(英国国民を除く)の「身内の」または「(親戚を含む)拡大」家族の一員である
- 同居するEEA市民が英国にいる、または申請日から6か月以内に英国に入国する
- 同居する人が英国に3か月以上滞在している場合、同居する人は次のいずれかである:
- 「適格者」であること(就労、仕事を探す、自営業、勉強する、または自給自足)
- 永住許可証を持っている
- 「身内の」家族の一員の場合、その人がEEA市民の配偶者または市民パートナーである、または次の関係である:
- 21歳未満の子供または孫、またはあらゆる年齢の扶養家族の子供または孫(またはその配偶者または市民パートナー)
- 扶養親または祖父母(またはその配偶者または市民パートナー)
- 「拡大」家族または未婚のパートナー(兄弟、姉妹、叔母、叔父、いとこ、甥、姪などの「拡大」家族)の場合、あなたがEEAの市民に依存している、その世帯の成員である、または深刻な病状でその世話をEEA市民に依存していることを証明できる
- 未婚のパートナーとして申請する場合、EEAの市民と継続する関係を提示する
- 同居する人がEEA市民学生の場合、あなたがその学生の次のいずれかである:
- 配偶者または市民パートナー
- 扶養家族の子供(または配偶者や市民パートナーの扶養家族の子供)
- Surinder Singhおよびその他の「居住権」で申請する場合、その資格要件を満たしている
ビザ申請費用
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イギリス移住のメリット
イギリス移住を検討しているということは、少なからずイギリスのいいところはわかっているかもしれません。
ただ、実際に住んでみて、知らなかったイギリスの良さがかなりたくさんわかりました。
ぜひ移住を決める前に知っておいて欲しいと思います。
英語圏のため言語のハードルが低い
イギリス移住を考える人の多くが、英語圏であることをメリットだと思っているでしょう。
英語圏の国は、他にもアングロサクソン国家やイギリスの旧植民地などがあるので、英語圏がいいという理由だけならイギリスでなくてもいいですよね。
ただ、イギリスは世界語となった英語の発祥の地です。
オリジナルの英語に触れたいなら、イギリスに住むのが一番です。
緑に囲まれて豊かな暮らしができる
イギリスにきて、おそらく多くの人が驚くのが、その緑の多さです。
大都会ロンドンの中心部でも、広大な公園がいくつもあり、街の中に並木もたくさんあります。
そんな公園の中では、とても静かで都会にいることを忘れるくらいです。
住宅地も、中心地から一歩離れるととても静かです。
ロンドン以外の地域ももちろん、建物のないところは芝生や農場が多く、十分な広さの森もたくさん維持されています。
朝は鳥のさえずりとともに目を覚まし、緑の豊かな場所で散歩を楽しむ…
そんな日課が、イギリスには当たり前にあります。
日本人と近い国民性があるため馴染みやすい
よく言われるように、イギリス人はアメリカ人やラテン系の民族などと比べると、あまり物を直接的に言わない傾向があります。
日本人とはまた少し違うのですが、周りくどい言い方や、相手を気遣った丁寧な言い方をする人が多いです。
海外移住でよくある「文化の違いに耐えられない」といった不満は、日本人がイギリスに住む場合にはあまり当てはまらないでしょう。
夏は晴れが多く夜遅くまで明るいため過ごしやすい
イギリスは緯度が北海道よりも高いため、夏場は日照時間がとても長いです。
6月ごろは、4時台が日の出、9時過ぎに日没です。
また、夏はイギリスらしくなく晴れの日が多く、お出かけしたくなります。
ヨーロッパ全体に言えることですが、日本と逆で夏は湿度が低く、気温が上がっても過ごしやすいです。
イギリスに住む一番いい季節は、6〜7月がピークで、4〜9月までが過ごしやすい気候です。
和食に必要な食材もある程度揃う
海外移住の場所として重要なポイントの1つに、和食が食べられる(材料が手に入る)ということがあります。
現地では現地の食べ物を食べるから大丈夫だと思う人もいるかもしれませんが、さすがに期間が長いと和食が恋しくなるはずです。
かといって、日本からそう頻繁に送るわけにもいきません。
送料や関税が高かったり、魚類など特定の食べ物が送れなかったりします。
イギリスでは、日本人を含めアジア人の人口がそれなりに多いので、和食に必要なものはある程度揃います。
調味料もよく使うものはほぼあります。
医療費が無料
イギリスの医療は、NHSといって国民健康保険制度があり、NHSの病院で診てもらうのには医療費がかかりません。
ビザを取得するときに保険料を払うので、実際にはすでに払っているのですが、病院に行くたびに費用を気にする必要がありません。
また、NHSの病院はGPと呼ばれる総合診療医がいて、地元のGPに登録して診てもらいます。
不調が出たときに、これは内科か、耳鼻咽喉科か、外科か、産婦人科かと判断する必要はありません。
歯の病気以外は、基本的に全身をGPの人が診てくれます。
体はつながっているので、不調があるところと全く違うところに原因があったりしますよね。
そう考えると、GPのシステムは理にかなっていると思います。
外国人が多く差別を受けることが少ない
イギリスは移民の国です。
2019年時点で、イギリスに住むイギリス国民以外の人口は約620万人で、これはイギリス人口の9%にあたります。
特に大都市や都心部では、本当に様々な国から来た人をよく見かけます。
田舎では、いわゆるアングロサクソン人の割合が多い地域が多いですが、都市では移民が多いのが当たり前です。
日本では移民が少ないので、見た目が日本人でない人は外国人として日本人と違う扱いを受けるケースがまだまだあると思います。
それと比べると、イギリスでは人々が移民に慣れています。
英語を話している限り、「どこから来たの?」などと尋ねることさえ人種差別と捉えられる場合もあります。
それくらい、人々が差別に敏感なので、あまり自分が何人であるかを意識することはありません。
近所の人と清々しい挨拶を交わせる
外を歩いていて、イギリスでは見知らぬ人とよく挨拶をします。
さすがにロンドンなどの大都市では挨拶しませんが、多くの場所で挨拶は一般的に行われます。
これが案外してみると気持ちが良いもので、ランニングや散歩のときの大きな楽しみの1つでもあります。
顔見知りになると、立ち話をすることもしばしばあります。
いい意味で昔からの習慣が残っているのかもしれません。
イギリス移住のデメリット
イギリスに移住してからガッカリしないよう、デメリットをある程度知っておくのが大切です。
英語のなまりが聞き取りづらい
イギリスは英語圏であることをメリットとして挙げましたが、その反面日本人の親しんでいる英語とは違うことに注意が必要です。
英語を学んでいくうちに、アクセント(なまり)の違いが聞き分けられるようになっていきます。
日本ではアメリカ英語が主流なので、イギリス英語に慣れるまでは聞き取るのに苦労すると思います。
私はパートナーの友達や近所の人、お店の人が何を言っているかさっぱり分からず、かなり苦労しました。(今もまだ練習中です。)
イギリス移住を考えているなら、すぐにイギリス英語に慣れる練習をすることをおすすめします。
冬は雨や曇りが多く日照時間が短い
イギリスは緯度が北海道より高いことに先ほど触れましたが、冬は天気が悪く日照時間が極端に短くなります。
12月ごろは、日の出が8時、日没が4時です。
そのため仕事が朝早い人は、太陽を見ることなく1日を過ごすこともあり得ます。
寒さは日本の冬とさほど変わりませんが、寒くなるのが早く、冬の期間が長いのが特徴です。
日本で着ているダウンジャケットよりも、もう一段暖かいものを着るのがおすすめです。
きちんと着込んでいれば、寒さも耐えられます。
日本と逆で冬はとても湿度が高く、道路が凍りやすく、よく霧が出ます。
できれば、12〜2月ごろはイギリスにいるのを避けたいところです。
新鮮な生魚などが手に入りにくい
和食の材料はほとんど不自由なく手に入りますが、新鮮な生魚はどこでも買えるわけではありません。
お寿司やお刺身が食べたくなったら、方法はこれくらいしかありません。
- スーパーのお寿司に見えないお寿司を買う
- 日本食レストランに行く
- スーパーの生魚を買う(生で食べられる保証はない)
一応食べられますが、島国なのに魚は高いです。
ビザ申請費用が高く手続きが煩雑
イギリスに長期間滞在するとなれば、ビザの申請は避けて通れません。
ただ、ビザの申請はとても複雑で時間と手間がかかり、申請費用も全般的に高いです。
1つでも何かが要件に合わなければ却下されてしまうので、間違いは許されません。
申請するビザに詳しい専門の弁護士にお願いして、何の書類が必要なのか、この書類で間違いないかなどを確認した方が安心です。
もしガイダンス通りに全て書類を揃えたと思っていても、相手から見れば不備があるかもしれません。
そしてもちろん却下されても、申請費用は戻ってきません。
ビザ申請の観点で言えば、他にもっと申請しやすい国がたくさんあることは確かです。
サービスの質が低い
日本のサービスのレベルが高いことは十分わかっていますが、イギリスでは全体的にサービスの質は高くありません。
例えば、郵便局です。
質問してもわからないと言われるし、テープやハサミはお客さん用に準備されていないので、なければその場で買うか、自前で用意しなければなりません。
相手先の住所と自分の住所を書いた手紙が、自分の住所に何度も戻ってきたこともあります。
パブなどのお店では、前の人の飲み物などがこぼれた後が拭かれずにベタベタしていることもよくあります。
ただ、全体的にヨーロッパよりはちゃんとしています。
イギリス移住は難しくない
いかがでしたか?
この記事の結論としては、
- イギリスに移住するにはたくさん方法がある
- イギリスは全体的に言えば住みやすい国
ということが言えます。
イギリス移住のデメリットを知った上で移住すれば、それほど落胆することもなく、イギリス生活を楽しめるはずです。
イギリスに住んでみたいけど、私の場合どのビザで行くべき?
こんなタイプだけど、イギリスに移住するのは向いている?
など、もし質問があれば以下のフォームより遠慮なくご相談ください。
イギリスに興味を持っている人の助けになれれば幸いです。