お金さえあれば、もっと幸せになれるのに…。「お金がなくても幸せ」って言うけど、現実はお金が全てだと思う。
お金があっても幸せとは限らないよね。でも、お金がほしいから高収入の仕事が良い。
そんな方に向けて書いています。
この記事で、次のことがわかります。
- 「お金で幸せは買える」も「お金がなくても幸せ」もウソ
- お金で幸せが買えない理由・お金で幸せが買える理由
- お金と幸せの関係
私は銀行で、いわゆるお金持ちな資産家の方々と接してきた経験からも、お金と幸せの関係についていつも考えてきました。
また、大金を手にした人にまつわるストーリーを見ていると、お金と幸せの関係の真理が見えてきます。
余裕のない人生から抜け出したいなら、こちらもどうぞ。
目次
「お金で幸せは買える」はウソ
「お金で幸せは買えるのか?」
これは世界中で誰もが一度は考えたことのある質問でしょう。
見出しにある通り、私は「お金で幸せは買える」はウソだと思います。
それは、次の理由からです。
お金で幸せが買えない理由
お金で幸せが買えない理由は、簡単です。
幸せは、自分の期待に対する現実に満足できるかどうかによって決まり、何をいくつ持っているかは関係ありません。
また、幸せは持っているお金以外のたくさんの要素によって決まります。
最低限の衣食住、人間関係、健康、仕事・お金、生きがい、自分の目標達成…
幸せを定義する要素は、セリグマンの幸福の理論モデルによると、次の5つの「PERMA」に集約されます。
ポジティブ感情(Positive Emotions)
エンゲージメント(Engagement)
関係性(Relationships)
意味・意義(Meaning)
達成(Accomplishments)
動画でも説明されています。
物質的に全てが満たされても、自分が期待するものが現実以上のものであれば、満足できず幸せを感じられません。
よく言われるように、「幸せは、自分の心が決める」のですね。
お金で幸せが買えない例
そんなことはない、お金で幸せは買える!
と思っている方に、お金で幸せが買えない例をご紹介します。
- 1億円以上の資産があっても幸せそうじゃない女性
- 毎月十分な投資からの配当金が入ってくるのに、株価が値下がりすると不満な女性
- ガンで余命宣告され、家族の生活費を稼ぐため違法な薬物を製造し、家族を破滅に追い込む男性
- ウォール街で富豪になったが、お金と地位を失って家族まで失う男性
1億円以上の資産があっても幸せそうじゃない女性
私が接した中で、わかっている中で最も裕福な女性のことです。
銀行で担当していた、最も預かり資産の多い個人顧客でした。
その女性は、他の資産家とは少し違う特徴を持っていました。
資産家を見ていて、以下のような資産家の傾向がわかりました。
- お金だけでなく気持ちと時間に余裕がある
- 態度が落ち着いている
- 誠心誠意対応すれば、信頼してくれる
- 礼儀があり人として尊敬されそうな雰囲気を持っている
しかし、その女性は、とても他の資産家のような懐の深さを持っている人とは程遠い方でした。
ガチガチにガードを固めていて、とにかくすごくネガティブで恐怖感を覚えるような人なのです。
- 一切誰も信用しないような態度
- 人を見下し、打ち負かそうとする
- 笑顔がない
- 感謝の言葉はなく、文句ばかり言う
こんな態度をとっていたら、誰も寄り付きたくありませんし、表面上は丁寧に接しても心の中では彼女を尊敬することもまずありません。
普通はお金がある人に人が寄ってくるものなのですが。
彼女は、典型的な「お金はあるけど幸せではない」人でした。
毎月十分な投資からの配当金が入ってくるのに、株価が値下がりすると不満な女性
この女性も銀行の大口顧客でした。
投資信託をいくつも持っていて、そこから毎月支払われる配当金で十分生活できていました。
投資信託の運用状況は株価や為替の変動で、毎月上がり下がりします。
彼女は、上がる時はもちろん良いのですが、下がると非常に不機嫌になります。
そして弱気になります。
長い間投資信託に投資してきたので、良い時も悪い時もあることは十分にわかっているはずなのですが。
このように心の平安が保たれないのでは、お金があっても本当に幸せとは言えないと思います。
ガンで余命宣告され、家族の生活費を稼ぐため違法な薬物を製造・売買し、家族を破滅に追い込む男性
ご存じの方もいるかもしれませんが、アメリカの大ヒットドラマ「ブレイキング・バッド」の主人公ウォルター・ホワイトのことです。
ドラマが面白いことはともかく、主人公はどう見ても幸せそうではありませんね。
というのも、違法な薬物に関わるということは、そういう地下世界に入るということなので、ダークな経験をたくさんすることになります。
家族のために薬物の世界に入ったのに、もちろん家族に本当のことは言えず…
結果的に、家族と普通の幸せを味わうことはなかなかできません。
もちろん大金を稼ぎましたが、そのお金は幸せとは直接結びつかないのです。
ウォール街で富豪になったが、全てを失う男性
誰のことかピンときましたか?
レオナルド・ディカプリオ主演の映画、ウルフ・オブ・ウォールストリートをご覧になった方は、わかるでしょう。
お金を稼ぎまくって全てを失う前から、主人公は常に欲望のままに行動し、明らかにドーパミン中毒でした。
セックスやお酒、ドラッグに溺れ、その瞬間は幸せの錯覚が得られますが、幸せは長続きしません。
結局、いくらお金と豪邸、美人な奥さんがいても、幸せになれなかったわけです。
「お金がなくても幸せ」はウソ
矛盾するようですが、「お金がなくても幸せ」というのもウソだと私は思っています。
というのも、まず、お金が全くない場合、お金がなくても生きていける術が必要ですよね。
お金なしで食べていくには、誰かに食べ物を恵んでもらうか、自分で食べられるものを見極めるための知識が必要です。
家や服を作るための知識も必要でしょう。
お金がない状態から、衣食住を満たすのはどう考えても大変です。
お金は、最低限衣食住を満たすだけの金額は必要です。
今日食べるものがなく、飢え死するかもしれない不安を抱えながら、幸せなんて感じられませんよね。
冬の寒い中着るものも十分になく、雨風をしのぐ屋根や壁がなければ、凍えて寝ることもできません。
最低限の必要を満たすお金がなければ、幸せとは言えないでしょう。
お金で幸せが買える理由
お金があれば幸せとは限らない例を先ほどご紹介しました。
そんなことない、お金で幸せは買えるよ!
そう思っている方に、お金で幸せが買える例も挙げていきます。
お金で幸せが買える理由は、お金があれば、その使い方によっては幸せにつながるからです。
お金で幸せが買える例
お金で幸せが買える例は、次の通りです。
- 不調のある人が治療して健康になるためにお金を使う
- 大切な友人や家族に贈り物をするためにお金を使う
- 大切な友人や家族に会いにいくためにお金を使う
- 大切な友人や家族と時間を過ごすために家事や仕事の自動化や外注にお金を使う
- 夢や目標の達成のためにお金を使う
これらは、一時的な快楽としての幸せではなく、長続きする幸せを得られやすい例です。
こうしたことは、お金があるからこそでき、お金で幸せを買っていると言えます。
お金と幸せの関係
お金はあればあるほど幸せなのか?
収入が一定金額になるまでは、幸福度も上がっていきますが、一定金額を超えると横ばいになることがわかっています。
2010年の有名なダニエル・カーネマンとアンガス・ディートンの研究ではその金額は年収75,000ドル(8,250,000円)だとされています。
この金額は、近年の調査で地域によってさらに上昇していたり、その地域の所得や学歴によっても異なるようです。
しかし、お金は無限にあれば良いというものではないことは確かです。
※$1=110円で計算
お金があれば幸せですか?
お金は生活のために必要不可欠なものです。
でも、人生の目的はお金を稼ぐことではないはず。
誰しも、お金を稼ぐだけでなく、幸せになりたいと思いますよね。
それなら、健康を害しながら夜遅くまで仕事をしたり、お金のために大切な人をおろそかにしたりすることが間違っていることは明らかです。
死ぬときには、お金がなくても、幸せであれば自分の人生に悔いはないでしょうから。