今の日本では、物価が上がらないのが当たり前、 デフレ マインド がすっかり定着していますよね。
日本は他の国と比べると物価が高いと思われていますが、実際のところはどうでしょう?
実際の日本の物価の上昇具合はどうなのか
他の国(イギリスを例に挙げて)と比較してどうか
について、考えてみました。
ちなみにデフレマインドとは…
長期にわたるデフレ(デフレーション)を経て世間に浸透し定着してしまった考え方、心理状態、消費の傾向などを指す語のこと。
ーWeblio辞書
目次
日本の物価は他の先進国より高いのか
世界一周中、他の旅人に日本から来たと自己紹介すると、よく聞かれました。
日本って物価高いんでしょ?
と。
体感的に日本は西洋諸国よりも安いと感じていたので、
「日本はそんなに高くないよ!」と答えていました。
実際のところは、東京より欧米の主要都市の方が高いのです。
Cost of Living Index 2019(物価の高い都市ランキング)を見てみると、
- バーゼル(スイス)
- チューリッヒ(スイス)
- ローザンヌ(スイス)
- ベルン(スイス)
- ジュネーヴ(スイス)
- ルガノ(スイス)
- スタンバンゲル(ノルウェー)
- レイキャビク(アイスランド)
- オスロ(ノルウェー)
- ニューヨーク(アメリカ)
- ベルゲン(ノルウェー)
- トロンヘイム(ノルウェー)
- ホノルル(アメリカ)
- ワシントンD.C.(アメリカ)
- サンフランシスコ(アメリカ)
- ブルックリン(アメリカ)
- ルクセンブルク(ルクセンブルク)
- 東京(日本)
東京は世界で18位でした。
「日本は物価が高い」というイメージは、30年前くらいのものでしょう。
ヨーロッパの各都市に滞在したり、イギリスに住んだりした感覚的には、日本の物価はもっと低いように感じます。
日本の物価の推移はバブル後ほぼ横ばい
私はバブル崩壊の年に生まれたので、物価が上がる世界を知りません。
物価は上がらないのが、ずっと「当たり前」でした。
過去70年近くにわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる(最新)に、わかりやすいグラフがありました。
このページのグラフからわかるように、1990年を過ぎたあたりからグラフの動きが明らかに変わっています。
2014年に急上昇しているのは、消費税増税の影響なので、物価はバブル崩壊からほとんど変わっていないことになります。
イギリスの物価は上がるのが当たり前
対して、世界中の多くの国で物価は上がるのが当たり前です。
私の住むイギリスもそうです。
1年ちょっとしか住んでいませんが、気づいた範囲でこれだけ値上がりしたものがあります。
インターネット代
バスの運賃
卵の値段
アーモンドミルクの値段
クリームチーズの値段
市に払う税金…
しかし、人々にとっては物価が上がるのが当たり前なので、これは「いつもの事」なのです。
イギリスの物価指数を見てみると、あまりにもまっすぐに上昇していて驚きました。
リーマンショック後に若干下がっているのが分かりますが、他の時期は一貫して上がり続けています。
イギリスでは給与も上がるのが当たり前
そんなに物価が上がったら生活が苦しいんじゃ…?
と思ってしまいますが、イギリスでは給与も上がりやすいです。
従業員が賃上げを申し出て、認められたという話も聞きます。
本当はそれが健全な経済なのです。
しかし日本のようにこれだけ物価が上がらないと、多くの企業は賃上げにはなかなか踏み切れないでしょう。
イギリスでは不動産も上がるのが当たり前
不動産の話をパートナーとしていた時のこと。
話の中で、私が何気なく
地価が下がることもあるよね
と言いました。
すると彼に、
地価は上がり続けるものだよ!それは君が人口の減ってる国から来たからそう思うんだ
と言われて、はっとしました。
あーそうか、
↓
家も物も需要が増える
↓
値上がりする
ってことか!
と当たり前のことですが、経済学の基本を思い出しました。
日本で デフレ マインド を払拭する根本的な解決策
よく言われるように、日本では人々の中のデフレマインドがなかなか消えません。
理論上は、
↓
人は「今の安いうちに買っておこう」という心理になる
↓
消費が活発になる
という風になるはずです。
企業も企業で、値上げしたせいで売れなくなると困るので、値上げを渋ってしまいます。
毎年物価が上がる状態が続かない限り、デフレマインドはなくならないでしょう。
「イギリスの不動産価格が上がるのは、将来人口が増えると考えているから」だと言いましたが、
やはり日本のデフレの根本的な解決には、人口を増やすことしかないのかもしれません。