恋愛をすると、うまくいっていても不安になる。不安のせいで、関係を壊してしまって後悔することも…
仕事がなくなったらどうしよう。お金がなくて生活できなくなったらどうしよう。常に不安ばかり抱えている。
家族をなくしたり、大切な友達が離れて行ったりするのが不安で仕方ない。そう思うと、なかなか自分の言いたいことも言えない。
こんな、日常の不安を抱えている方のために書きました。
この記事で、次のことがわかります。
- なぜ不安になるのか【お金、仕事、家族、恋愛、人生】
- 不安との付き合い方【不安はなくすのではなく利用する】
普段、ありがたいことに幸せを感じることができる毎日を送っていますが、不安は私も多かれ少なかれいつもそこにあります。
不安があるとついつい、考えないようにしてその気持ちにフタをしてしまいます。
しかし、そのままではその不安と一生付き合っていかなければなりません。
それでは一生心が落ち着きません。
そこで、ここでは不安と向き合い、不安の解決法を探ります。
余裕のない人生から抜け出したいなら、こちらもどうぞ。
※引用は、特にことわりのない場合Think Like a Monk: Train Your Mind for Peace and Purpose Every Day (English Edition)より行っています。
日本語版はこちら。
かなり分厚い本なので、Kindle版で読むか、Audibleで聴くのがおすすめです。
目次
なぜ不安になるのか【お金、仕事、家族、恋愛、人生】
人生は、不安になることであふれています。
明日のプレゼン、うまくいかなかったらどうしよう
取引先が急に取引を止めると言い出したらどうしよう
両親が病気になったらどうしよう
夫が浮気していたらどうしよう
子供が危ない目にあっていたらどうしよう
一生このまま一人で情けないままだったらどうしよう
また、その不安を増幅させて利用するビジネスも世の中にあふれています。
では、人はなぜ不安になるのでしょうか?
そもそも不安とは何なのでしょうか?
不安とは何か【不安の正体】
「不安」を辞書で引くと、このように解説されています。
不安は,日常生活の中で,漠然とした特定できない曖昧な脅威を察知したときに,自我の危機としてだれもが経験する心的反応であり,不確定性と無力感を伴う心理的状態である。
ー 最新 心理学事典の解説/コトバンク
不安の正体は、「こうなってしまったらどうしよう」という「何かを失うことへの恐怖」からきています。
例えば、先ほどの例でいうと、次のことを失う恐怖であると言い換えられます。
- 明日のプレゼン、うまくいかなかったらどうしよう
⇒ 上司からの評価、将来の昇進
- 取引先が急に取引を止めると言い出したらどうしよう
⇒ 安定した仕事、安定した生活
- 親が病気になったらどうしよう
⇒ 親の命、楽しい家族との時間
- 夫が浮気していたらどうしよう
⇒ 円満な夫婦生活、婚姻関係、信じている人の存在
- 子供が危ない目にあっていたらどうしよう
⇒ 愛する子供の安全
- 一生このまま一人で情けないままだったらどうしよう
⇒ 生きてきた意味、自分の存在価値
これらの恐怖は、「お金、仕事、家族、恋愛、人生」の何かを失うことへの恐怖です。
では、なぜ私たちは不安になるのでしょうか?
【不安の精神病理】…不安を感じることそれ自体は決して異常ではなく,危険や脅威を未然に警告し,それらに備えて防御するための行動の源泉として働く。この意味で,人間に合理的に備わった大切な心理であり,力ともいえる。
ー 最新 心理学事典の解説/コトバンク
不安になることで、私たちは危険から自分の身を守っています。
この仕組みは人間に本来の生存本能として備わっていて、自然に起こるものなので、変えることはできません。
不安との付き合い方【不安はなくすのではなく利用する】
人間に生まれつき備わった、不安になる機能をなくすことはできない。
では、不安をなくさずにどう不安と付き合っていけばよいのでしょうか?
具体的な方法を順番に紹介します。
- 深呼吸する(瞑想する)
- 自分の不安を外から客観的に観察する
- 不安はポジティブに利用できることを知る
- 不安になる根本的な理由となる「恐れ」を見つける
- 不安を自分から切り離す
深呼吸する(瞑想する)
映画やドラマで、真っ暗な家に侵入するシーンを思い出してください。
自分がそこにいるわけではないのに、見ている方まで息を潜めてしまいますよね。
不安や恐怖を感じている時も同じです。
不安や恐怖を感じていると、いわば「警戒モード」で呼吸が浅くなっています。
そのままでは冷静に考えることができません。
そこで、まずは冷静に考えるために深呼吸を繰り返します。
ゆっくり息を吐いて、ゆっくり息を吸う。
瞑想は、心を落ち着けるのに特に効果的です。
自分の不安を外から客観的に観察する
心が落ち着いてきたら、自分の抱えている不安を客観的に観察してみましょう。
目を閉じて、「私の感じている不安は何だろう」と考えてみます。
まずは、どんな不安を感じているのかをはっきりさせるためです。
紙に書いてみると客観的に観察しやすくなるでしょう。
不安はポジティブに利用できることを知る
不安は、気持ちの良い感情ではありません。
しかし、うまく利用すれば、自分にとってプラスになります。
私たちは恐怖の警告に気づきながらも、その助言を無視してしまうことがよくあります。 恐れが自分自身について教えてくれることと、自分が何を大切にしているのかがわかるようになれば、恐れを人生の中でより大きな意味、目的、充実感を得るための道具として使うことができます。 恐れを利用して、ベストな自分にたどり着くことができます。
変化のストレスと難題は怖いものですが、そうしたストレスと難題は、私たちを強くしてくれる「風」です。
この「風」というのは、木々が風のない環境では高く成長できず折れてしまうことから、風が木の根っこや幹を強く丈夫にするように、ストレスが人を強くするのだという意味です。
私たちが本当に恐れるべきなのは、恐れがもたらすチャンスを逃してしまうことです。
怖いことは、恐怖そのものではなく、その恐怖がくれる自分を強くするチャンスを逃すことだということです。
不安になる根本的な理由となる「恐れ」を見つける
自分の不安が何かがわかったら、その根元にある「恐れ」を見つけます。
お金、仕事、家族、恋愛、人生についての不安は、不安に思っていることそのものが原因ではない場合がよくあります。
「仕事が不安…」というとき、本当は、仕事そのものが不安なのではないということです。
- 明日のプレゼン、うまくいかなかったらどうしよう
⇒ 上司からの評価、将来の昇進への恐怖
⇒ 職場で仕事のできないやつだと思われたくない、平社員のままだったら情けない
⇒ 自信(プライド)を傷つけられることへの恐怖
- 取引先が急に取引を止めると言い出したらどうしよう
⇒ 安定した仕事、安定した生活
⇒ 今の生活水準と社会的評判をなくしたくない、生活が苦しくなるのが怖い
⇒ 周りへの自尊心を失うこと、生きるための基本的な必要を満たせなくなることへの恐怖
- 親が病気になったらどうしよう
⇒ 親の命、楽しい家族との時間
⇒ 頼りにしていた存在がいなくなったらどうしていいかわからない
⇒ 自分の心のよりどころを失うことへの恐怖
- 夫が浮気していたらどうしよう
⇒ 円満な夫婦生活、婚姻関係、信じている人の存在
⇒ 夫がもう自分を愛していないとわかるのが怖い、離婚したら評判が落ちるのが怖い、信じた人に裏切られたとわかるのが怖い
⇒ 愛されていない裏切られた自分を受け入れること、自信をなくすことへの恐怖
- 子供が危ない目にあっていたらどうしよう
⇒ 愛する子供の安全
⇒ 我が子が身体的または精神的に傷つくのをみるのが怖い
⇒ 自分が愛し大切にしている存在を失うことへの恐怖
- 一生このまま一人で情けないままだったらどうしよう
⇒ 生きてきた意味、自分の存在価値
⇒ 生きてきた意味がない、自分の存在価値がないとわかるのが怖い
⇒ 存在を否定されることへの恐怖
不安を自分から切り離す
不安になるとき、恐怖を感じるとき、
「私は不安だ」「私は怖い」
と表現します。
しかし、「私=不安」「私=怖い」ではありません。
不安なとき、不安な感情を「感じている」だけです。
怖いとき、怖いという感情を「感じている」だけです。
だから、感情と自分自身は別物だとして、自分と「不安」「恐怖」を切り離します。
すると、より冷静に自分の感情を観察できるはずです。
不安をうまく使って恐れに上手に対処できるようになろう
恐れと困難に対処するとき、自分が恐れと困難に対処できることに気づきます。これにより、次に悪いことが起こったとき、それに対処する方法が見つかるという自信がつきます。 このように客観的に物事を見ることができるようになることで、実際に恐れるに値するものとそうでないものをよりよく区別できるようになります。
不安になることは一見ネガティブなことでしかありませんし、できれば一生感じたくない感情です。
しかし、不安や恐怖を全く感じない人生などあるでしょうか?
人それぞれ、生きていれば不安や恐怖を感じることがあります。
その時に、ただ見ないふりをして逃げたり、感情的になって人や物に当たったりすれば、いい結果にはなりません。
何より本人が苦しく、幸せから遠ざかるだけです。
でも、不安をうまく利用すれば、その不安や恐怖をまた感じることがあっても、対処できるようになります。
そうなれば、不安になることも怖くない。
そして、よりたくましい人間に成長できます。
もし、不安や恐怖を感じて対処できずにいる方がいれば、この記事でご紹介した方法をお試しください。
そして、日本語訳も出版されて世界中でベストセラーになっている「モンク思考―自分に集中する技術」を読んでみてください。
恐怖や不安への対処だけでなく、人生におけるあらゆる悩みについて解決の糸口が見つかります。
誰しも、これを読むとハッとして考えさせられることが多々あるはずです。
パートナーにもすすめましたが、間違いなく大切な人全員におすすめしたい本です。
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